top of page

シンデレラマン(2005年 アメリカ)

  • 執筆者の写真: kayukawa-clinic
    kayukawa-clinic
  • 4月1日
  • 読了時間: 2分

更新日:4月16日

愛知保険医新聞刊


 レイ・オフ、ジョッブロス、アンエンプロイメント、いずれも庶民を奈落の底に突き落とす資本主義最大の罪だ。既に米国では三百万人近い人々が失業すると報道されている。大恐慌下を生き抜いた一人のボクサーの物語が、「シンデレラマン」である。 前途有望なボクサーとして活躍していたジム・ブラドック(ラッセル・クロウ)は一九二九年、右手の故障がきっかけで勝利に見放され、引退を余儀なくされる。時を同じくして大恐慌がアメリカを襲う。生活に困窮したジムは、妻メイ(レネー・ゼルウィガー)と三人の子供を抱えつつ、過酷な肉体労働でわずかな日銭を稼ぐが、そんな仕事にすらありつけない日の方が多かった。しかしある時、ボクサー時代のマネージャーだったジョーが、世界ランキング二位という新進ボクサーとの試合の話を持ち掛けてくる。勝ち目などない一夜限りのカムバックだったが、その報酬が必要だったジムは、夫の身を案じるメイを振り切って、再びリングに立つ。そこで奇跡が起こった。肉体労働によって左パンチが強化されていた彼は、まさかの勝利を収めたのだ。そこからジョーは奔走して試合を取り付け、ジムは次々と強敵を倒していった。そしてついに、ヘビー級世界チャンピオンへの挑戦権を得る。ジムは大観衆が待ち受けるリングへと向かい、最終十五ラウンドまで戦って見事判定勝ちを収めるのだった。 芸は身を助ける。怪我で引退したボクサーが肉体労働で闘争力を養いチャンピオンに輝くのは、貧しい少女がお姫様になるシンデレラの男性版だ。だが現実は百万人に一人もこうした幸運に恵まれることはない。


最新記事

すべて表示
ひとりぼっちの青春(1970年 アメリカ)

愛知保険医新聞刊   大恐慌下の一九三二年ハリウッドも失業者で溢れていた、「ひとりぼっちの青春」は未来を奪われた若者を描いた。その中の一人、ロバートはある通りのマラソン・ダンス場に流れ込む。マラソン・ダンスとは昼夜ぶっ通しで踊り続け、最後に残った者に賞金が与えられる見せ物。...

 
 

Comments


Commenting on this post isn't available anymore. Contact the site owner for more info.

© 20240626 by Kayukawa Clinic. Proudly created with Wix.com

bottom of page