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恋するリベラーチェ(米国2013)

  • 執筆者の写真: kayukawa-clinic
    kayukawa-clinic
  • 2018年5月25日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年10月28日

 一九七七年の夏。天賦の才を持つ名ピアニストにして、舞台では奇抜で超派手な衣装に身を包み、観衆を虜にするエンターテイナー・リベラーチェ(マイケル・ダグラス)のもとに、ハンサムな青年スコット・ソーソン(マット・デイモン)が訪れる。二人はたちまち恋に落ち、秘められた愛が始まる。リベラーチェにとってスコットは唯一の心の支えであり、一方、スコットにとってリベラーチェは夢のような贅沢三昧生活のパトロンである。実の親と幼少期に別れて以来、施設暮らしと養子先での生活経験しかないスコットは寂しさの中でリベラーチェに父性愛を抱き、養子縁組の話すら出る。リベラーチェはスコットを形成外科に通わせ美容整形までさせる。金持ちと愛人という従属関係の中で、愛人を囲いたがるパトロンと、自由に恋愛したい若者のエネルギーがぶつかる。嫉妬と独占欲の狭間で葛藤するスコットはコカイン依存になり、リベラーチェの宝石類もドラッグの代金にする始末だ。  本作ではベガスのショーなどで活躍し、プレスリーやレディ・ガガにも影響を及ぼしたリベラーチェの生涯を描いている。一九八七年後リベラーチェは六十七歳でエイズにより死去。原題は“BEHIND THE CANDELABRA”、「枝分かれした二本の燭台の背後」だ。燭台の意味は不明である。原因が血液製剤であろうとゲイであろうとエイズ患者の苦悩は変わらないと友人の血液学者が教えてくれた。 『恋するリベラーチェ』 © 2013 Home Box Office, Inc. All Rights Reserved 配給:東北新社

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